渡良瀬遊水地を満タンにさせる程の水害は生まれて初めてです。
しかしながら、複数の川の流れを調整するためにある3つの池の容量はとっくに超え、遊水池全体をフラットにする程の水が流れ込んでいます。
3日後の水位はこれ位。
階段のこんな所までヨシが流れ込んでいます。
ワタシの小指から親指までが約18cmで、階段一段の高さがざっくりですが同じくらいです。親指が余っているのでそれよりもちょっと低いでしょうか?そしてここから上まで10段ありましたので、180センチ弱。あとたった人ひとり分の水位が上がったら集落に流れ込むところでした。
今でこそ鳥の声が戻ってきましたが、通れるようになった直後は鳥や虫など、生き物の気配が全く感じられませんでした。
田んぼアートの写真をとったあと、遊水地を突っ切って埼玉方面に向かう際いつも出くわすのですが、恐らくこの猫も生きてはいないでしょう。
動物や人間、建物などいろいろなものを犠牲にして水が下流に流れるのを防いでいるんだな、ということを実感しました。
「田舎が東京の犠牲になる!」
なんていう人もいますが、ダムや遊水地は東京というよりは首都を守るということだと思います。
そして、首都を守るということは日本を守るという事。首都が陥落すれば地方も生きてはいけません。
だから、
猫ちゃんがかわいそうとか、
景観が損なわれるとか、
コンクリートから人とか、
脱ダムとか、
スーパー無駄遣いとか
そういった理由で災害対策の反対をしないで頂きたいな、と思います。
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それから蛇足ですが、
この文章自体は台風の直後に書いています。その時はスコットランドの「法的手段」発言で強行されたラグビーの試合と利根川決壊危機の真っただ中で、もっと冷静さに欠いた文章でしたので、投稿するのを少し保留していました。
そして今日、文章を完成させるため、遊水地内でいろいろ写真を撮っていて見つけました。
これは確実に台風後に付いた足跡です。
この文章を台風直後に書いたときには到底生きているはずがないと思っていた猫ですが、もしかすると生きているかもしれない!
~~2019年12月追記~~
生存確認です!
いつも通りがかった時にはもう少しシャープな顔をしているので、わかりづらかったですが、おでこと鼻の模様でほぼ確定です。
橋の下など暴風をしのぐ場所は完全に水の中、隠れるところがないままよくぞ生き残ってくれました。