2019年10月25日金曜日

とち介と政光くん寒川尼ちゃんが力を合わせて小山と栃木を守る



ワタシが6月の田植えから追っていた、小山市の「田んぼアート」が終了しましたので、その写真を使いタイムラプス動画を作成しました。6月12日に稲刈りが行われるはずでしたが、ご存じの通りその日は台風19号が直撃した日でしたので、一般の刈り入れ体験は中止になりました。

数年に一度タイムラプス熱が上がりやりたくなってしまうんですよね。





タイムラプスって、一度始めたらやめられないので覚悟が要ります。毎日とるのが面倒ですし、特にアングルが変えられないので最初適当に決めてしまい、やっぱりやだ!となることが何度かありますね。

でも、最大の敵は「そこそこ」進んだ時に待っています。

とりあえずある程度まで進むとタイムラプスとしては一応完成するんです。

田んぼアートの動画で言えば、田植えから水が見えなくなって絵が浮き出るくらいまでで一応形にはなるんです。その間恐らく二か月弱くらいでしょうか?

しかも、それ位から雑草が生え始めてあまりきれいじゃなくなるんです。結局最後まで草取りはしてもらえなかったのですが、その間「今日も取ってくれなかった」「明日は取ってくれているだろうか?」というイライラが出てきて、かなり継続の意思が揺らぎましたが、なんとか続けることが出来ました。


さて、この田んぼアートですが、
渡良瀬遊水地のちょうど外側の小山市生井地区にある田んぼで行われています。

しかし、そこに描かれている図柄はというと・・

まず、左に小山市のキャラクター「政光(まさみつ)くん」右に「寒川尼(さんがわに)ちゃん」がいるのですが、その真ん中にどーんと栃木市のキャラクター「とち介」が鎮座しています。

その意図を聞いて知っているわけではないのですが、恐らくここら辺一帯に県や市の境は無いということなんだと思います。

このすぐ隣には栃木市部屋地区(部屋村)という所がありまして、渡良瀬遊水地が出来る前は、生井地区(生井村)と共に大洪水に見舞われていました。

今回の台風19号でも本当に危ない状況でした。


左が遊水地、右が部屋地区です。ちなみに左側は貯水池ではありません。一応、生井と部屋の前に広がる部分は「第二調節池」という名前にはなっていますが通常はヨシ原が広がっています。



遊水地内は第一~第三の調節池に分けられており、台風が来て水が流れ込むと池が3つ出来るのですが、今回はそれがほぼ上限いっぱいになっています。

台風や大雨が来たらこんな状態になって近隣の地域を守るのが渡良瀬遊水地の役割だ!ということは授業その他で聞いてはいましたが、実際にここまでの状態になるのを見るのは生まれて初めてです。

上の写真は台風の2日後の写真です。翌日には近づけもしませんでした。

2日経ってこの水位ですから、当日はもっとギリギリの状態だったと思います。

先日、生井に遊びに行った際、何かのイベントの準備に出くわしました。
「感謝 与良川排水機場」「堤防感謝」「感謝 渡良瀬遊水地」というのぼりが見えます。神主さんをお招きして鎮魂の儀式をするようです。


渡良瀬遊水地の所在地は「旧栃木県下都賀郡谷中村」です。近隣の地域を守るために村一つが無くなってしまったという悲しい歴史があります。

小山市をはじめここら辺一帯の人たちはそれらへの感謝の気持ちを持ち、その思いをきちんと伝えています。

ここで一つ蛇足ですが・・

最近、というか2012年以降、「四県ににまたがる遊水地」というキャッチフレーズでいろいろ村おこしをしている所がありますが、看板でアピールしたり道に名前を付けたりしている方々は、無くなった栃木の村に対して感謝の気持ちを持っていただいているでしょうか?


もう一度言います。

渡良瀬遊水地の所在地は「栃木県下都賀郡谷中村」です。