2018年12月30日日曜日

切なすぎて気が狂いそうになるデジカメの歴史




下町ロケットでよく流れていたCMが、切なすぎて気が狂いそうになるとワタシの中で評判になっておりました。

日本生命「見守るということ。」






まずは親バカ的シーン
「娘が高2になりました~」「ちょっとやめてよ!お父さん」



次のシーンでは「もうすぐ受験か~~」というお父さんの声。上のシーンから1年くらい経ってますね。その間に・・


「お~い、遅刻するぞ!」「えっ!」

の後お母さんに「なんで起こしてくれないの!」とあるのでお父さんの声は娘に届いてません。


「・・マジで?」

そもそもこんなシーンお父ちゃんは撮れません。

タイムコードが無いので、これは親バカ録画では無いです。お父さんが生きて撮影していたのは恐らく最初の1シーンだけだと思われます。


そして、件のシーン。

激しくなるピアノとともに映し出される娘との思い出・・気が狂いそうになります。



最後に受験当日、そして合格





「大学行けるよ、ありがとね」


だって日本生命に入っていたからね!!


入れとは一言も言ってません。でも伝わります。日本生命が作ったというだけで、保険全体の宣伝になっているという、店の前を掃除するときに両隣の店も掃くような奉仕の精神も垣間見ることが出来ます。

今後のCMは、ただでコンテンツを見せてやるかわりの苦行的バーターではなく、一つのコンテンツとして見せてほしいです(もちろんステルスではなく)。

特にyoutubeなどは、数秒~数時間のコンテンツがごちゃごちゃに混在している場所なので、CMも同じように数十秒のコンテンツとしてアクセスが上がるような動画を制作してもらえれば5秒で飛ばされる確率は低くなっていくのにな、と思います。


ところで、

こころかき乱されながらも気になったのが、主人公の子供から今までの映像。


まずは冒頭の映像


この動画全体はいわゆる「シネスコ(シネマスコープ)サイズ」という画面の比率で出来ています。横:縦はおよそ12:5で今のカメラで撮る比率の16:9よりもちょっと横長です。タイムコードの切れ方を見ると恐らくお父さんはFHD(HD)サイズのカメラで撮影しています。今どきのやつですね。


これが子供の頃のビデオカメラ。もちろんHDではなく4:3のSD画質。2018時点で受験生という事は2000年生まれ。写っているのが2~3歳くらいという事は、撮影時期は2002~3年。その当時音声付き動画が撮れたスチルカメラはそんなに多くなかったです。当時超絶欲しかったLumixのF1という機種は確か音声動画が撮れないかもしくは10秒くらいでした。次の機種から無制限で撮れるようになったのですが(今より優秀!)サイズは320x240でビデオカメラの代わりにはなりませんでしたね。


中学の入学式だと2013年、α7が発売しようという年ですので、もうデジカメ動画はかなり高画質ですね。本来なら、このデジカメだと小学校入学(2006年)くらいが妥当の機種ですが、入学式にこういうデジカメで撮影しているほうがリアルに思います。仕事で結婚式の衣装合わせに行くと皆さん、とくに新婦さんのお父さんがこんな感じのデジカメで撮影してました。



恐らく小学生時代。2006~2012あたり。さすがにこの扇風機の感じはワタシの子供の頃レベルですね。田舎のおばあちゃん家に遊びに来ているのでしょうか?この映像を16:9の比率に戻すと後ろの女性の顔が中途半端に切れている状態になります。通常は2人きちんと画面に収めるはずなので、縦が長い4:3の比率と考えられます。上のデジカメで撮ってるかも?この頃に買って入学式まで使っていたと考えればつじつまが合います。


この手の思い出系のCMって、主人公の幼少期はモノクロ写真か妙に赤みがかったカラーと相場は決まっていましたが、2000年代生まれともなると、生まれた時からすでにデジカメなんですねぇ・・。

ワタシの場合は白黒はちょっとはありますが、幼稚園の頃にはすでにカラーでした。

小学校6年生の時に、鼓笛隊の総指揮者になったので、運動会には親戚から一眼レフのいいカメラを借りて撮ってもらいました。ただ、ビデオカメラは間に合いませんでした・・。

その後は写真を撮るほうが好きであまり自分が映った写真は無いような気がします。


デジカメバカ界隈にいると、よく聞こえてくるのが

「自分の子供は出来るだけ高画質で撮っておけ」

というもの。子供時代は一瞬なので、後で見返して後悔のないように、というのが理屈ですが、

今となれば、
あと2~3年遅く生まれていたらハレの舞台でビデオを撮ってもらえたのに」とか、
この時代の自分の写真が無いんだよなぁ・・」なんていうのもいい思い出です。

思い出を高画質で残すのもいいですが、カメラの写り自体や撮影した環境にも時代が反映されているので、それも含めて自分の歴史になっていくんだと思います。

・・あ、
「その頃は無理して高いカメラ買ったんだぜ!」というのもそれはそれで歴史の1ページです。
ワタシはいいカメラで撮りたいです。